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キャバクラ経営改善2026-03-11

キャバクラの時給高騰はいつまで続くのか

求人サイトを開くたびに、数字が上がっている。

去年まで「時給5,000円〜」と書いていた店が「7,000円〜」に変わっている。歌舞伎町や六本木の一部では「時給1万円保証」がもはや珍しくなくなり、「2万円」という数字まで出回り始めた。

しかも、それで潰れているかというと、そうでもない。時給を上げて、ちゃんと利益も出ている店がある。

じゃあ全部の店が時給を上げればいいのか?——そんなに単純な話ではない。


なぜ今、時給がここまで上がっているのか

要因はひとつじゃない。複数が同時に重なっている。

採用チャネルが狭くなった。 2025年6月の風営法改正でスカウトバックが全面禁止になり、スカウト経由でキャストを確保していた店は採用ルートがひとつ丸ごと消えた。求人サイトやSNSで自力で集めるしかなくなったけど、そこでは「時給の数字」が最大の武器になる。3,000円と書いてある店と7,000円と書いてある店、どっちがタップされるかは言うまでもない。

他店の条件が丸見えになった。 SNSで「うちの店、時給1万円になった」と誰かが書けば、それが基準になる。情報の非対称性がなくなった結果、条件の低い店から人が流れ出す。上げたら隣も上げる。隣が上げたらうちも上げる。チキンレースが止まらない。

客単価が上がっている店がある。 インバウンド需要や富裕層マーケットの拡大で、1卓あたり5万〜10万円の売上になる店がある。そういう店では時給2万円を払っても十分に利益が出る。高時給は「無理して出している」んじゃなくて、「単価に見合った報酬」になっている。

新規出店ラッシュ。 店が増えればキャストの取り合いになる。既存店は引き抜かれないように条件を上げ、新規店は最初から高条件で攻める。需給の問題。


高時給が成立する条件

時給2万円で利益が出ている店には共通点がある。客単価が高い・立地とブランドがある・キャストの質が揃っている——この3つが全部揃っている。

高時給は「原因」じゃなくて「結果」。高単価の店だから高時給が出せる。順番が逆だと破綻する。


条件がない店が時給を上げるとどうなるか

問題は、この条件を持っていない店が採用競争に巻き込まれて時給を上げるケース。

時給を上げた。でもセット料金はそのまま。客層もそのまま。出ていくお金だけが増えて、入ってくるお金は変わらない。じゃあセット料金を値上げすると、今度は既存のお客さんが離れる。高単価に切り替えるのは「値上げ」じゃなくて「業態転換」に近い。内装、接客レベル、客層、すべてセットで変えないと、値段だけ高くなった居心地の悪い店が出来上がる。

見落としがちなのが、高時給で来る子がどういう層かという問題。

売上を持っている子は、指名バック・ドリンクバック・同伴バックを積み上げて月の手取りで稼ぐ。時給換算したら2万円を超えていることも珍しくない。でもそういう子は「時給保証○万円」の求人に飛びつく必要がない。店を移るにしても時給の数字より給率のパーセンテージや売上バックの条件を気にする。稼ぎ方の軸が違う。

高時給の求人に反応しやすいのは、バックで稼ぐ自信がまだない子、あるいは見た目はよくて面接は通るけど指名がつかない子。つまり**「時給保証でしか稼げない=売上を作れない」層が集まりやすい構造**がある。全員がそうじゃないけど、確率の問題として。高時給で採用した子が売上を作れなければ、その時給はまるごと持ち出しになる。

そして何より怖いのは、一度上げた時給は下げられないということ。下げた瞬間にキャストは辞める。金額の問題だけじゃなく、「この店は落ち目だ」というシグナルになる。時給を上げるという判断は、戻れない前提で決めないといけない。


キャスト側から見た時給2万円

ここまでは店側の話。じゃあキャストにとって、高時給は本当に「いい話」なのか。

時給2万円を出す店が、ただ座っていていい店のわけがない。同伴ノルマ、売上ノルマ、指名本数の基準。合う子にとっては最高の環境だけど、全員がそうじゃない。

もうひとつ。時給で店を選ぶと「辞めグセ」がつく。7,000円の店にいて、隣に8,000円の店ができたら移る。9,000円が出たらまた移る。これを繰り返すと、どの店でもお客さんとの関係が浅いまま終わる。指名が安定しないからバックで稼げず、時給だけが頼りになる。ループに入る。

一方で、時給がそこそこでも1つの店に長くいる子は、常連のお客さんがつく。指名バック・ドリンクバック・同伴バックが積み上がる。月の手取りで見ると、時給が低い方が稼いでいるケースは実際にある

結局、店にとっても、キャストにとっても、時給の数字だけで判断すると見誤る。じゃあ、時給以外に何で差をつけるのか。


時給で勝負しない店は何で戦うのか

キャストが辞めていく理由を掘り下げると、「時給が安いから」は意外と上位に来ない。人間関係、評価の不公平感、将来への不安。環境が理由で辞める子を、時給で引き止めることはできない。

逆に言えば、環境を整えている店は時給が飛び抜けて高くなくても人が残る。教育体制、つけ回しの公平さ、給与明細の透明性、シフトの融通。地味だけど、「時給8,000円で居心地最悪の店」と「時給5,000円だけど長く続けられる店」なら、後者を選ぶ子は多い

自分の頑張りが数字で見えることも大きい。本指名が何本、場内指名が何本、リピート率がどのくらい。売上トップの子だけが評価される店だと2番手以下のモチベーションが続かないけど、データで「あなたの場内指名率は店内トップ」「リピート率がこの3ヶ月で20%伸びた」とフィードバックがあると、時給の金額だけじゃない「ここにいる意味」が生まれる。


この高騰は「成熟」か「バブル」か

正直、今の時点で答えは出ない。

成熟だとすれば——キャストの仕事が正当に評価されるようになった。風営法改正で採用が健全化され、グレーなルートで安く人を集めていた時代が終わった。正当な条件を出さなければ人が来ない。これは一過性じゃなく、構造変化かもしれない。

バブルだとすれば——インバウンド景気が冷え込んだら? 新規出店ラッシュが止まったら? 時給は下げられない。でも売上は下がる。最初に潰れるのは「時給だけ上げて、他の体力がない店」。

どっちに転ぶかはわからない。ただ、どっちにしても問われるのは同じこと。

「時給を下げなきゃいけなくなったとき、それでも人が残る店かどうか」。

時給を上げるなら、それに見合う単価と体制を。上げないなら、時給以外で選ばれる理由を。中途半端が一番危ない。


まとめ

時給2万円が出る時代。キャストの仕事が正当に評価され始めた証拠かもしれないし、条件が変われば続かないバブルかもしれない。

確かなのは、この流れに「とりあえず乗る」のが一番リスクが高いということ。時給の数字は求人サイトで比べられる。でも「この店で長く働きたいかどうか」は数字に出ない。目に見えない部分でどれだけ差をつけられるか。それが、時給戦争とは別のところで店の未来を分けていく。


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