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キャバクラ経営改善2026-03-24

コンカフェに客を取られている説は本当か

「コンカフェに客を取られてる」。

ここ数年、キャバクラのオーナーからこの言葉を聞く回数が増えた。秋葉原だけじゃない。歌舞伎町にも難波にも栄にもコンカフェが増えて、「うちに来てた客がそっちに流れてる」と感じている人は少なくない。

でも、本当にそうだろうか。

数字を見てみると、話はそこまで単純じゃない。


まず、数字を並べてみる

全国のコンカフェ(コンセプトカフェ)は3,300店舗を超えている。2020年前後のブームで一気に増えた。市場規模は約100億円。

一方、キャバクラを含むナイト業界全体は1〜2兆円規模と言われている。正確な数字は誰にもわかっていないが、コンカフェの100億円とは桁が違うのは確かだ。

客単価も大きく違う。コンカフェは入場料500円にドリンク1〜2杯、写真撮影のオプションをつけて1,000〜3,500円程度。常連でも3,000〜5,000円。キャバクラはセット料金だけで5,000円前後、飲み放題付きなら8,000〜15,000円。指名料やボトルが入れば数万円になる。

市場の桁が違い、客単価で3〜5倍の差がある。

この数字だけ見れば、「コンカフェがキャバクラの脅威」というのはスケール感が合わない。


客層は本当に被っているのか

ただ、「規模が小さいから脅威じゃない」と片付けるのも早い。

コンカフェの客層を見ると、メインは20〜40代の男性。サラリーマンが半数以上を占め、「推し活」目的で通う常連が多い。メイドカフェファン層は約39万人と推計されていて、20代が31%、40代が24%。男女比は7:3。

キャバクラの客層と重なる部分がないわけじゃない。30〜40代のサラリーマンは両方に存在する。

でも、来店の動機が根本的に違う。

コンカフェに行く人の目的は、「推しに会いに行く」「非日常の空間を楽しむ」「チェキを撮る」。いわばアイドルのライブに行く感覚に近い。会話は楽しむけど、一対一でじっくり話し込む場ではない。

キャバクラに行く人の目的は、「自分の話を聞いてもらう」「一対一で女の子と飲む」「接待で使う」、そして正直なところ「あわよくば口説きたい」。こちらはバーのカウンターで飲む感覚の延長線上にある。

同じ「女の子がいる店」でも、求めているものが違う。


スターバックスは「バーの客」を奪ったのか

ここで、少し違う業界の話をしたい。

スターバックスが日本に上陸したとき、「カフェ業態がバーの客を奪うのでは」という見方があった。実際、仕事帰りにバーで1杯飲んでいた層の一部が、スタバで過ごすようになった。

ただ、スターバックスが提供したのは「サードプレイス」——家でも職場でもない、居心地のいい第三の居場所だった。バーが提供していた「酒を飲みながらリラックスする時間」とは、似ているようで別のニーズを満たしていた。

結果として起きたのは、「バーの客が奪われた」のではなく、「バーに行くほどじゃなかったけど、どこかで過ごしたかった層」に居場所ができたということだった。

コンカフェとキャバクラの関係も、これに似ている。

コンカフェが吸収しているのは、「キャバクラに行っていた客」というよりも、「キャバクラに行くほどじゃないけど、女の子と話したい」「1万円は出せないけど、3,000円なら出せる」という層ではないか。

つまり、コンカフェはキャバクラの客を奪っているのではなく、キャバクラが取りこぼしていた層を拾っている


コンカフェ自体が苦しくなっている

しかも、そのコンカフェも今は楽じゃない。

2024年以降、経営難による閉店と風営法違反による摘発が相次いでいる。客単価3,000〜5,000円では人件費・家賃・衣装代を回収できず赤字になる店が多い。風営法の許可なしに接待営業をしていた店が摘発されるケースも増えた。「急増→飽和→淘汰」のフェーズに入っているのが今のコンカフェだ。

つまり、コンカフェはキャバクラの客を奪うどころか、自分たちの足元が揺れている


では、キャバクラの本当の課題は何か

コンカフェが脅威でないとしたら、キャバクラはなぜ苦しいのか。

2024年上半期、バー・キャバクラ等の倒産件数は過去10年で最多の47件を記録した。キャバクラ単体でも10件と過去最多。これは裁判所に申請した件数だけで、静かに店を畳んだケースは含まれていない。実際に閉まった店はもっと多い。

原因は、コロナ禍で定着した「飲み会離れ」、実質賃金の伸び悩み、物価高、接待文化の縮小——複合的な構造変化だ。

ただし、業界全体が壊滅しているわけでもない。風俗営業の許可数は令和4年度末で約7.9万件、前年比2%減。じわじわ減ってはいるが、一方では人手不足から時給の引き上げ競争が起きている店もある。

沈んでいる店と伸びている店がある。市場が一律に縮んでいるというより、二極化が進んでいる。

だとすれば、コンカフェを敵視しても意味がない。問うべきは、「この二極化の中で、自分の店がどちら側にいるか」だ。


コンカフェは「敵」じゃなく「入口」かもしれない

コンカフェとキャバクラの客層は、完全には被っていない。でも、境界線上にいる層は確実に存在する。

「キャバクラは高いし敷居も高い。でもコンカフェなら気軽に行ける」——そう感じている20代は多い。Z世代がキャバクラに「来ない」のではなく「入口がない」だけという見方もある。彼らは今コンカフェの客だけど、5年後にキャバクラの客になる可能性がある人たちでもある。

コンカフェで「女の子がいる店で過ごす楽しさ」を知った層が、いずれキャバクラに足を運ぶかもしれない。コンカフェは敵ではなく、将来の客を育てている入口かもしれない。

問題は、その入口から上がってきた人がキャバクラを選ぶ理由があるかどうかだ。人生初キャバクラのハードルを下げる導線を意識的に作っている店とそうでない店では、この層の取り込み方に差が出てくる。

「一対一でじっくり話を聞いてもらえる」「自分を覚えてくれている」「大人の空間で過ごせる」——コンカフェにはない価値を、ちゃんと届けられているか。二極化が進む中で、その価値を言語化して伝えられているか。

「コンカフェに客を取られている」と嘆く前に、自分の店が提供している価値を改めて見つめ直す方が、たぶん先だと思う。


まとめ

  • コンカフェ100億円 vs ナイト業界1〜2兆円。 そもそもスケール感が合わない
  • 客単価もコンカフェ1,000〜3,500円 vs キャバクラ5,000円〜数万円。 価格帯が違う
  • 客層は一部重なるが、来店動機が根本的に違う。 コンカフェは「推し活」、キャバクラは「一対一の会話」
  • スタバが「行き場のなかった層」に居場所を作ったように、コンカフェはキャバクラの取りこぼしを拾っている
  • コンカフェ自体が「急増→飽和→淘汰」に入っている。 キャバクラの客を奪うどころか、自分たちの足元が揺れている
  • キャバクラの本当の課題はコンカフェではなく、勝てる店と勝てない店の二極化
  • コンカフェは将来の客を育てている入口かもしれない。 そこから上がってきた人が自分の店を選ぶ理由を作れているかどうか

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