10月の売上を月単位で見ると、9月とそう変わらない店は多いと思います。
でも週単位で分けると、形がまったく違う。前半と後半で別の月のように動きます。特に2週目あたりに、はっきりした谷ができる。
この谷を「たまたま暇だった週」として処理してしまうと、毎年同じところで同じ落ち方をします。
谷は毎年ほぼ同じ場所にできる
10月は、9月の給料日後の勢いが切れるタイミングから始まります。
月初は動く。月末の給料日を挟んで、その直後も動く。問題はその間です。給料日から次の給料日までのちょうど真ん中、月の2週目から3週目の頭にかけて、来店の理由がいちばん薄くなる期間が来ます。
夏なら暑気払い、12月なら忘年会と、外から来る口実がある月は、この谷が埋まります。10月には、それがない。体育の日まわりの連休はありますが、連休は逆に客が旅行や帰省に流れて、夜の街から人が減る日でもあります。
つまり10月の谷は、偶然ではなく構造です。毎年ほぼ同じ場所にできる。
谷の日にシフトを厚くしてしまう
ここで起きやすいのが、人の配置のズレです。
売上が落ちた週に「人が足りなかったからでは」と考えて、翌週のシフトを厚くする。でも谷の原因は接客の量ではなく、来店の理由がないことなので、人を増やしても客は増えません。増えるのは人件費だけです。
逆のパターンもあります。谷の週に人を絞りすぎて、たまたま入った団体を受けきれない。10月は、法人の期が変わる会社もあって、少人数の接待が突発的に入ることがあります。薄いところに突然来る。
どちらも、谷がどこに来るかを先に把握していないから起きます。
去年の10月、どの日にどれだけ会計があったか。Luna Pos のような POS で日ごとの記録が残っていれば、谷の位置は数字で確認できます。「10月はなんとなく中だるみする」ではなく、何日から何日までが落ちたのかを見る。そこにシフトを合わせるほうが、勘で厚くするより外れません。
谷を埋めるか、谷として扱うか
谷が見えたとして、対応は2通りあります。
ひとつは、埋めにいく。その週だけの理由を作って、来店の口実を用意する。周年、季節のメニュー、常連への個別の連絡。ただしこれは手間がかかるし、毎年この週に何かをやり続ける覚悟が要ります。
もうひとつは、谷として受け入れる。人を絞り、コストを落とし、その週は利益を薄く保つ。そのかわり、キャストの休みをここに寄せる。年末に向けて体力を残す期間として使う。
どちらが正しいということはないと思います。ただ、決めずに毎年その週を迎えると、人は多めに入っていて、客は少なくて、誰も休めていない、といういちばん悪い形になります。
11月と12月の仕込みに使う
谷の週を「仕込みの週」として使う考え方もあります。
現場が落ち着いている時期にしかできないことがあります。年末の予約条件を決める、常連の連絡先を整理する、新しいキャストの教育に時間を割く、メニューを見直す。忙しい月に入ってからでは、どれも手が回りません。
12月の売上は、12月の頑張りだけでは作れません。10月の谷で何をしていたかが、2か月後に出てきます。
今月見ておくこと
10月にやることは、それほど多くありません。
去年の10月の日別売上を見て、谷の位置を確認する。その週のシフトを、厚くするのか絞るのかを先に決める。谷を埋めにいくなら、理由を今のうちに用意する。埋めないなら、その週にキャストの休みと仕込みを寄せる。
10月を「可もなく不可もない月」として流すか、年末の準備期間として使うかで、12月の形が変わってきます。