盛り上がったイベントの夜を思い出してほしい。
フロアが満員で、キャストもお客さんも笑顔で、会計が普段より高くて、「また来よう」と言って帰っていくお客さんが多い夜。
あの夜はなぜうまくいったのか。当日の「運」や「雰囲気」だけでなく、前日に何がされていたかが実は全てに影響している。
イベントは「準備が8割」
当日に完璧にやろうとしても、直前に問題が出たら取り返しがつかない。
装飾が届いていない。予約の確認が取れていない。キャストへの段取り共有が終わっていない。主役のキャストが体調を崩した——こういう事態が起きるのは、前日までに「万が一の確認」をしていないからだ。
前日までに「当日これが起きたらどうするか」を考えていると、対処が早い。当日初めて問題に気づくと、パニックになる。
「告知」と「確認」は別物
イベントの集客で一番多くの店がやることは「告知する」だ。SNSに投稿する。LINEで一斉送信する。店内ポスターを貼る。
でもこれは「お客さんに情報が届くこと」であって、「お客さんが来ること」ではない。
前日にすべきなのは「確認」だ。
「来ますよね?」という個別の連絡。予約が入っているお客さんへの念押し。「○○さんも呼んでみませんか?」という紹介のきっかけ作り。
これはキャスト一人ひとりが担当のお客さんに連絡をとる作業だ。自動化できない、人力が必要な仕事だ。でも、この確認があるとないとで、当日の来客数に差が出る。
前日夜に「明日のイベント、楽しみにしてますよ」という一言のLINEが来ることで、「そういえば行こうと思ってたけど、まあいいか」だった気持ちが「行こう」に変わることがある。
前日の「チームブリーフィング」
当日の動き方を全員が把握しているかどうかも、前日に確認する。
イベント当日は通常営業より動きが複雑になる。どのタイミングでケーキを出すか。どの席が主役のお客さん用に確保されているか。演出がある場合、誰がどのタイミングで何をするか。
これを当日に「さあどうする?」とやり始めると、連携がズレる。お客さんの前でスタッフが確認し合っている姿は、盛り上がりを壊す。
前日のうちに10分でも集まって、「明日はこういう流れで動きます」という共有をしておく。全員が同じ絵を見ている状態で翌日を迎えるかどうか、かなり違う。
主役の気持ちを上げておく
バースデーイベントや個人のランキング発表があるイベントでは、「主役のキャスト」がどんな状態で当日を迎えるかも重要だ。
前日に「明日楽しみだね」「お客さんも来てくれそう?」「何か準備することある?」という声をかけておく。キャスト自身のテンションを上げておくことが、当日の接客の質に直結する。
主役が不安そうにしていると、お客さんも空気を読む。「あんまり盛り上がっていない?」と感じると、自分の盛り上がり方も下がる。逆に主役が心から楽しそうにしていると、その感情はフロアに広がる。
前日に準備できる「失敗シナリオ」
「もし主役のキャストが来られなかったら」「もし予約のお客さんが来なかったら」——これを前日に1つか2つ想定しておく。
全部の失敗シナリオを考える必要はない。でも「これだけは避けたい」という最悪の状況を一つ決めて、その対処だけ用意しておく。
いいイベントになったときは、準備が「当たり前」として消える。でもうまくいかなかったときに見えるのは準備の欠如だ。
イベントの盛り上がりは、当日のエネルギーだけで決まらない。
前日の23時に何をしているか。そこに当日の熱量が宿っている。
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