売上ランキングはわかりやすい。誰が一番稼いでいるか、一目で見える。
全員が売上の高いキャストだったら話は早い。でも現実はそうならないし、仮に全員がナンバーワンタイプだったとしても、それだけでは店は回らない。
フリーのお客さんを掴む子、ヘルプでテーブルの空気を作る子、リピーターを静かに積み上げる子。いろんなタイプがいるから、店全体の数字ができている。
ランキングに載っている子は、もう自分の武器を見つけている。問題は、まだ武器が見つかっていない子。「私、何が得意なのかわからない」「指名も全然取れないし」——そういう子をどうするか。
居場所がないと、スタッフに当たるようになったり、テーブルでグラスの水滴を拭いているだけになったりする。放っておいたら辞めていく。
でも、スタッフの関わり方ひとつで化けることがある。
強みは最初から見えない
入店して間もない子に「指名取って」と言っても、何をどうしたらいいかわからない。それは当然で、自分の接客スタイルなんてやりながら見つけていくもの。最初から武器を持っている子の方が珍しい。
トークが面白い子、聞き上手な子、場の空気を読むのがうまい子、お客さんとの距離感が絶妙な子。どんな強みがあるかは、いろんな場面を経験してみないとわからない。
スタッフ側にできることは、いろんな場面でのその子を見て、才能に気づいてあげること。
いろんな場面を経験させる
フリーのテーブルにつけてみる。指名客のテーブルにヘルプでつけてみる。盛り上げ役の子と組ませてみる。落ち着いた子と組ませてみる。
同じ子でも、場面によってまったく違う顔を見せることがある。
フリーのお客さんとの会話がぎこちなかった子が、ヘルプに入った途端に自然体で場を回していた。逆に、ヘルプでは目立たなかった子が、フリーのテーブルで 1 対 1 になったら急にお客さんを掴んだ。
こういうことは、同じポジションばかりやらせていたら見えない。意識的にいろんな組み合わせや場面を経験させることで、「あれ、この子こっちの方が合ってるかも」という発見が生まれる。
小さな変化を拾う
強みが見え始めるのは、ほんの小さなサインから。
あの子がヘルプに入ったテーブル、なんか空気がよかった。あの子がついたフリーのお客さん、場内指名入れた。あの子と組ませたとき、相方の子がいつもよりのびのびやれていた。
こういう一瞬を拾えるのは、現場を見ているスタッフだけ。数字として記録に残るものもあれば、残らないものもある。でも「なんかよかった」という感覚を見逃さないことが大事。
そして、それを本人に伝える。
「今日のあのテーブル、◯◯ちゃんのヘルプよかったよ」「さっきのフリーのお客さん、場内入れてたね。あの掴み方いいと思う」——こういう一言を、その日のうちに伝える。
本人は気づいていないことが多い。「え、そうですか?」くらいの反応かもしれない。でも、言われたことは残る。「自分はヘルプが向いてるのかも」「フリーのお客さん、意外と掴めるのかも」——そこから意識が変わり始める。
「向いてること」を一緒に探す
「指名を取れ」は結果の話。でもその手前に、「どうやって取るか」がある。そしてさらにその手前に、「この子は何が向いているか」がある。
場内指名を量産するタイプなのか。リピーターを静かに積み上げるタイプなのか。ヘルプでテーブルの空気を作るのがうまいタイプなのか。それとも、同卓の相方の子に指名を入れさせる「アシスト」がうまいタイプなのか。
どのタイプが正解ということはない。店にはどのタイプも必要。
本人がまだ自分のタイプを知らない段階で「指名取って」とだけ言うのは、スタッフ側の仕事を放棄しているのと変わらない。キャストが指名を取れるようにするのがスタッフの仕事なのに、やり方も示さず結果だけ求めている。
一緒にいろんな場面を経験して、小さなサインを拾って、「◯◯ちゃんはこっちが向いてるかもね」と探していく。そのプロセス自体が、キャストとスタッフの信頼関係を作る。
組み合わせで引き出す
1 人では発揮できない力が、組み合わせで出てくることがある。
おとなしい子が、盛り上げ役の子と一緒のテーブルに入ったら、安心して自分のペースで話せるようになった。話すのが苦手な子が、聞き上手な先輩キャストと組んだら、お客さんへの相槌のタイミングがうまくなった。
男同士の飲みでも、誰と行くかで全然違う。盛り上がる相手、難しい話ばかりになる相手、なんか会話が続かない相手。組み合わせで場の空気が変わるのは、自分の経験で知っているはず。
でも、スタッフ側の目線になると「空いてる子を順番につける」になりがちで、この当たり前に気づけなくなる。
「この子にはこの子を組ませてみよう」という意図を持った付け回し。それだけで、キャストの見え方が変わることがある。
組み合わせがハマったら、キャストにもフィードバックする。「今日のあのテーブル、◯◯ちゃんと△△ちゃんの組み合わせよかったね」と。キャスト同士も「あの子と一緒だとやりやすい」という感覚を持っていることが多い。その認識を共有できると、次からの連携がもっとよくなる。
こうした組み合わせの判断を記録に残していく方法は、つけ回しを「感覚」から「記録」に変える方法で書いています。
見てくれている人がいるから、頑張れる
ランキングに載っている子は、数字が自分の強みを証明してくれる。
でも、まだランキングに載っていない子には、それがない。「自分はこの店で必要とされているのかな」——そう思い始めたら辞めていく。
「◯◯ちゃん、ヘルプ入るとテーブルの空気変わるんだよね」「◯◯ちゃんのお客さん、リピート率すごいよ」——数字に出なくても、見てくれている人がいる。その実感が「もう少し頑張ってみよう」になる。
逆に、売上ランキングだけで評価される店では、ランキング外の子が「頑張っても意味ない」と感じて辞めていく。その子がいなくなって初めて「最近、場内指名減ったな」「常連減ったな」と気づく。でも原因がわからない。
まだ輝いていない子の強みを一緒に探して、見つけたら言葉にして伝える。それがスタッフとキャストが一緒に成長していくということなんだと思う。
まとめ
売上ランキングに載っている子は、すでに自分の武器を見つけている。
問題は、まだ武器が見つかっていない子。いろんな場面を経験させて、小さな変化を拾って、「こっちが向いてるかもね」と一緒に探していく。
フリーが得意な子、ヘルプが得意な子、リピーターを育てる子、アシストがうまい子。どのタイプも店には必要で、どれが正解ということはない。
極端な話、席での接客はまだこれからでも、挨拶が元気で、その子が出勤の日は店の空気が明るくなる——そういう子だっている。今は数値化できないけど、こういうことも評価される世界があっていいと思う。
もっと言えば、風紀は禁止だけど、誰かに恋をしたことで急に頑張り出す子がいるのも事実。ありとは言わない。でも、人が頑張れる理由はきれいなものばかりじゃない。そこを全部否定してしまうと、見えるものも見えなくなる。
その子の強みを見つけるのは、現場を見ているスタッフにしかできない。キャストが輝ける場面を作ることは、スタッフ自身の成長でもあるし、それがそのまま店の成長になる。そして、ナンバーの子が周りの子にも声をかけてチーム全体を引き上げていく——そういう循環が生まれたとき、店の厚みが一段変わる。
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