年末に人が足りなくなる店は、だいたい11月末に募集を出しています。
そして、間に合いません。応募があって、面接をして、体験に来て、実際に出勤が安定するまでに時間がかかる。12月の頭に入った人は、12月の忙しさの中では戦力として数えられない。
逆算すると、年末に立てる人は10月に入っている必要があります。
「入った日」と「使える日」の間にある時間
新しく入ったキャストが、一人で席に付けるようになるまでには段階があります。
店のルールを覚える。メニューと料金を覚える。常連の顔と名前が少しずつ入る。自分の付き方ができてくる。この過程は、出勤の回数に比例します。週2で入る人と週5で入る人では、同じ1か月でも進み方が倍以上違う。
そして年末は、この「覚える時間」がいちばん取れない時期です。現場が忙しく、教える側も余裕がない。忙しい日に入った新人は、教わらないまま放置されて、そのまま辞めることがよくあります。
だから12月に採るのは、採用としても育成としても効率が悪い。
10月は、応募が動く月でもある
採用する側の都合だけでなく、応募する側の動きも10月にあります。
年末に向けて収入を増やしたい人が動き始めるのが、だいたいこの時期です。12月に入ってから探す人もいますが、その層は「年末だけ」を探していることが多い。10月に動く人のほうが、続ける前提で探している確率が高くなります。
同じ募集を出しても、10月と12月では来る人の種類が変わる。これは条件の問題ではなくて、探している側の目的が違うからです。
定着するかどうかは、最初の1か月で決まる
入ってすぐ辞める人と、続く人の差がどこで付くかという話があります。
前に新人キャストが最初の1か月で辞める理由で触れたことですが、最初の数回の出勤で「ここでやっていけそうか」の判断は、ほぼ終わっています。指名が付いたかどうかより、居場所があったかどうかのほうが効く。
10月に入った人には、この最初の1か月を落ち着いた環境で渡せます。11月は少し動き始めますが、まだ教える余裕がある。そうやって迎えた12月は、本人にとって「初めての繁忙期」であって、「何もわからないまま放り込まれた月」ではなくなります。
ここが分かれ目だと思います。年末を乗り切った新人は、年明けに残ります。年末に潰れた新人は、1月にいません。
誰が育てるかを決めておく
もうひとつ、採用のときに抜けやすいのが、教える側の割り当てです。
「みんなで見る」は、実質「誰も見ない」になります。特に忙しくなってくると、全員が自分の客で手一杯になり、新人は端に立ったままになる。
誰がその子の面倒を見るのかを、入った時点で決めておく。ベテランに任せるなら、その分の負担を何かで戻す。この設計をしておかないと、育成が個人の善意頼みになって、続きません。
12月の人数は、今月の判断で決まる
年末のシフトを埋められるかどうかは、12月の努力ではほとんど動きません。
10月に何人採ったか。その人たちが11月にどれだけ出勤したか。教える側を決めていたか。この3つで、12月に立てる人数はだいたい決まります。
年末に「人が足りない」と言っている店と、そうでない店の差は、忙しくなってからの頑張りではなく、2か月前にどう動いていたかの差であることが多いです。