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キャバクラ経営改善2026-06-09

キャストの目標と店の目標がずれているとき

「先月より売上落ちたよね」と店長が言う。

「でも指名数は増えてます」とキャストが返す。

どちらも正しい。どちらも間違っていない。でも話が噛み合っていない。——この状態が、多くの店で静かに続いている。

目標がずれるとは何か

店が求めているのは「売上」だ。会計金額の合計。この数字が上がることを目標にしている。

キャストが追いかけているのは何か。指名数? 売上? 単価? 常連の人数? ——店によって、またキャストによって、違う。

問題は、これが明文化されていないことだ。

「頑張れ」「もっとやれ」という抽象的な指示だけがあって、「何をどう頑張るのか」の解像度がない。キャストは自分なりの解釈で動く。店は自分なりの基準で評価する。そのズレが積み重なって、ある日「なんか噛み合っていない」という感覚になる。

よくある「目標のすれ違い」パターン

指名重視 vs 売上重視。

指名を増やすことに注力しているキャストがいる。新規のお客さんに積極的に声をかけて、次回来たときに自分を指名してもらうよう関係を作る。指名数は増えている。でも指名お客さんの単価が低ければ、売上は伸びない。

店から見ると「頑張っているのに売上が出ない」。キャストから見ると「指名増えているのに評価されない」。

常連数重視 vs 新規集客重視。

既存の常連客を大切にして、リピート来店を増やしているキャストがいる。月4回来てくれる常連が3人いる。店からすると「常連のお客さんは確かにいいけど、新規も来てほしい」。でもキャストは「安定して来てくれる人を大事にする方が自分の売上は読めるし、新規対応はコストが高い」と感じている。

どちらの論理も正しい。方向が決まっていないから、どちらも間違いにはなれない。

短期 vs 長期。

今月の売上を最大化しようとする動き方と、3ヶ月後に常連を増やすための接客をする動き方は、日々の行動が違う。「今月ちゃんとやれ」と言われるキャストが長期視点で動くのは難しい。でも長期視点がないと、来月には指名が減っていたりする。

「目標を合わせる」ためにできること

難しいことではなく、シンプルな話をするだけでいい。

「うちの店として、今何を優先しているか」を伝えることだ。

新規の客層を広げたい時期なのか。常連のリピートを固める時期なのか。客単価を上げたい時期なのか。——方針は時期によって変わっていい。でも方針がキャストに伝わっていなければ、キャストは自分の判断で動くしかない。

月に一度の短い話し合いで「今月は何を優先するか」を共有するだけで、行動の方向がそろいやすくなる。

キャストが「何のために働いているか」を知っているか

逆に、キャストの目標を知っているか、も大事だ。

「稼ぎたい」は全員共通としても、その先が違う。

来月に引越し費用が必要で、短期集中で稼ぎたい子。来年の留学費用を少しずつ貯めている子。とにかく指名1位になりたい子。お客さんと話すことが楽しくてここにいる子。

目標が違えば、モチベーションになる働きかけも違う。「今月の売上を頑張れ」が全員に刺さるわけではない。短期で稼ぎたい子には別の話をした方がいい。

これはキャストの情報を管理するというより、「その子にとって何が大事か」を把握して、それに合わせたコミュニケーションをするということだ。

目標がそろったときに起きること

目標が一致しているチームの動き方は、見ていてわかる。

黒服とキャストが「今夜は新規のあの人を大事にしよう」と共通認識を持っている夜は、フロア全体がそれに向かって動いている。バラバラに動いているときとは、空気が違う。

店全体が一つの方向を向いているとき、お客さんにも伝わる。「この店は統一感がある」という感覚は、言語化されにくいが確かにある。


ズレていること自体は問題ではない。気づかないまま放置していることが問題だ。

一度確認してみてほしい。今週、キャストにどんな目標を持って動いてほしいか、ちゃんと伝えているか。

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