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キャバクラ経営改善2026-06-13

「飲ませる文化」の限界

「あの店、最後の方に何杯飲んだかわからなくなってた」。

友達からそれを聞いたとき、また行こうとは思わない。むしろ「気をつけないと」という気持ちになる。

これが多くのお客さんの感想だ。言葉にするかどうかは別として、感じていることとして。

短期最大化が長期を壊す

キャストがドリンクを多く飲ませると、その夜の売上は上がる。ドリンクバック率が高ければ、キャストの歩合も上がる。短期的には全員が「勝っている」に見える。

でも翌日、そのお客さんはどう感じているか。

二日酔いで後悔している。財布の中身を見て驚いている。「飲まされた」という記憶が残っている。

こういう体験をしたお客さんが次に来るかというと、しばらく来ない。「よく飲まされる店」という印象がついてしまうと、接待や友達の紹介では使えない。「自分だけで行く店」になっても、頻度は落ちる。

一夜の高単価が、10回分の来店機会を失わせる。

「飲ませる」の意味が二種類ある

「飲ませる」という行為には、二種類ある。

一つは「雰囲気に乗って楽しんでいる結果、いつの間にか飲んでいた」状態。これはお客さんにとって気持ちよく飲んでいる体験だ。翌日後悔しない。「あのときは飲んだけど楽しかった」になる。

もう一つは「断りにくい状況を作って、飲ませている」状態。これはお客さんが能動的に選んでいるわけではない。翌日「なんであんなに飲んでしまったんだろう」になる。

接客の技術として「断りにくい状況を作る」ことを教えているなら、それは後者だ。一夜の売上は上がるが、その客を「また来たい」に変える力はない。

キャストが「飲ませたくない」と感じるとき

現場のキャストに聞くと、「飲ませろ」というプレッシャーを感じている一方で、「飲ませたくない」と感じていることも多い。

お客さんが好きだから、体を心配する。「今日はこのくらいにしておきましょう」と言いたい。でもドリンクバックがかかっているから、言い出しにくい。——この葛藤を抱えているキャストは少なくない。

「お客さんのことを考えてペースを調整する」ことが、売上的にキャストを不利にするような構造が残っている限り、この葛藤は解消されない。

長続きする接客の形

「またあのキャストに会いたい」と思ってもらうために何が必要か、という視点で考えると、「無理に飲ませない」は実はプラスになる。

「あのキャストと飲むと、なんかちょうどよく楽しくて、翌日も大丈夫」という体験は、再現性があると思われる。「また行っても同じように楽しめる」という期待が持てる。

これが「あの店は飲まされる」になると、「楽しいけど行くたびに次の日がつらい」という記憶になる。楽しかった気持ちと翌日のつらさがセットで記憶される。頻度は自然と落ちる。

「飲ませる文化」から抜け出すには

オーナーが「ドリンクバックをやめる」という判断をすれば、一気に変わる。でも既存のキャストへの影響を考えると、簡単には動けない。

段階的にやるなら、「飲みすぎを防いだことを評価する」指標を作ることが一つの手だ。「翌週また来たお客さんの比率」をキャスト別に見るとか、長期来店率を指標に入れるとか。「この夜の売上」だけを追うのをやめる。

短期の数字だけで評価していると、短期に最適化された行動が生まれる。長期の来店を評価する仕組みがあれば、行動が変わる可能性がある。


飲ませて稼ぐ、という選択肢は確かにある。

でも飲まれたくて来ているお客さんはいない。楽しみたくて来ている。その気持ちを大切にした先に、長く続く関係がある。

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